2017.03.07
前回の記事から、かなり間が空いてしまいました。反省。今後は定期的な更新を心掛けます。ところで皆さん、取引経験のないところから打診が舞い込んだ際、どのように対処されていますか?というわけで今日は、「翻訳者が翻訳会社を評価するシステム: The Blue Board」について書いてみます。
こちらのサービスはフリーの翻訳者であれば一度は耳にしたことがあると思われる PRoZ という団体が運営するウェブサイトで公開されているものです。
一言で言えば、先に書いたように「取り引き経験のある翻訳者が翻訳会社を評価する場」です。このサービスを利用すれば、信頼できる会社とそうでない会社を(ある程度)見極めることができます。
ちなみに PRoZ のサイトに掲載されている求人広告は、正に玉石混交。単刀直入に書いちゃいますけど、はっきり言って悪徳業者から、大手翻訳会社、または中小でありながら、翻訳業に誠実に取り組んでいる仲介業者、クライアントまで様々です。
私も駆け出しから数年、いや4~5年はよく利用していましたし、一時期は有料会員にもなっていました。が、今はPRoZの有料会員ではありません。PRoZ 経由の打診、仕事もほぼありません(とはいえ、PRoZ経由で取り引きを開始し、今でも良好な関係を構築している取引先は複数あります)。
日本国内でも似たようなサービスを見かけますが、PRoZの場合、退会したら、「ハイ、サヨナラ!」というわけではなく、アカウントを作成しておけば、プロフィールは引き続き公開されますし、グループバイを利用して、CATツールを割安価格で購入することも可能です。
加えて、この The Blue Board も制限付きですが利用できます。私の場合、見ず知らずの相手から打診がきた場合、まずこのサイトで翻訳者からの評判をチェックするように心掛けています。評価は、「1~5」段階で投稿者が下し(「5が最高」)、短いコメントを残せるようにできています。有料会員であれば、コメントを閲覧でき、非有料会員はこの数字による評価のみを閲覧できるという仕組みです。
方法は簡単。調べたい会社の名前を入力して検索するだけです。評価数はまちまちですが、信頼できる取引先の場合、大抵は「4~5」で評価されているハズです。反対に、「1~2」という評価があったら要注意と言えます。低評価の理由としては、1)支払いの遅延/トラブル、2)単価の低さ/作業指示のあいまいさ、3)応答の悪さ、などが挙げられると思います。
*ただし、低評価の中には、一部あきらかに翻訳者側に落ち度があるものや感情的になってその「仕返し」的に投稿しているものもあります。
以前、ア○リアさんでも、似たようなシステムを導入されたことがありましたが、その際は、高評価の取引先に対する情報だけが公開されるものでした。でも、翻訳者が知りたいのその反対で「低評価」の取引先なんですよね。こちらのサービスも途中で終了されてしまいましたが、おそらくその辺のミスマッチが原因だったのではないでしょうか(こちらも今は会員ではありませんので、その後、どうなっているのかは不明です)。
何故、今日このような記事を書いたのかと言いますと、取引経験のないところからいくつか打診のメールが舞い込んでおりまして、久し振りにこちらのサイトを利用してみたのでした、えーと、ちなみに一社(イギリス)を確認したところ、158の投稿数があり、平均評価点は「2.9」。うーーん。こんなところとは取り引きしない方が無難でしょう。というわけで、こういう相手の場合、返信もしません。ちなみに個人的には「4」以上でないと不安ですね。
それから時々、連絡先を一切記載せずに打診をしてくるパターンもありますが、こういう打診は論外なので、そのままゴミ箱行きです。
その他の利用方法としては、支払いが滞ってきている取引先の場合、直近の評価がガタ落ちしてきます。例えば、数年前はずっと「5」だったのに、ここ半年ほど「1~2」の評価が続いている場合には経営に赤信号が灯っているかもしれません。以上、ご参考までに。
新規取引先の開拓方法として一番お奨めは、「同業者の紹介」。やはりこれに勝るモノはないと思います。
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