2016.06.10

【翻訳者、不払いに遭遇する | 動産執行で一発逆転~全額を回収】

ようやく最終回です。債権執行(口座の差し押さえ)が空振りに終わり、万事休す・・・かと思われましたが、次に「動産執行(物品の差し押さえ)」なるものがあることを知った私は早速、そちらの手続きに移行しました。

この時点では既に、被告からは何の連絡もなく、正直「あきらめモード」でした。が最後に、動産執行に移行したことを先方にFAXで伝えました。
 
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すると、それまで一切返信のなかった被告からすぐに連絡(メール)がありました。そこには、

「銀行口座には資金がないので、PayPalでお支払いしても良いでしょうか?」

とありました。

おそらく、なんらかの後処理を行っていた時期かと思われますが、さすがに「パソコンやその他諸々を差し押さえられるのはマズイ」と判断したのでしょう。

紆余曲折ありましたが、数日後には無事に全額入金されました!

約5か月に及んだ「戦い」もようやく幕を閉じました(ちなみに、訴訟関連の書類作成費用なども全額返済してもらいました)。
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以来、新しい相手と取り引きを開始する際は、以下の点に注意しています。

■ホームページに取引銀行名および支店名が明記されていること
■支払いの遅延が何度か発生したり、常態化した時点でなんらかの手を打つ
*例えば、以下のサイトでは翻訳者が翻訳会社を評価できる仕組みになっており、支払いのトラブルがあると、すぐに評価<<5段階>>が反映されます。有料会意でなくても、5段階の評価は見れます)
 The Blue Board: A database of translation agencies … – ProZ.com
■同業者のネットワークを構築しておき、「何か」あったときにはスグに情報共有できるように備えておく

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以下、後日談となりますが、無事売上金を回収した後、コトの顛末を報告すべく某「一般社団法人」に電話で連絡しました。すると、電話で応対してくれた方は話を聞いてくれた後、

「名誉棄損で訴えられるケースもありますので、気を付けてくださいね」

とのことでした。この言葉には、当時、「ガクッ」ときました。

私としては、同じような不払いに遭遇している方やこれからさらなる被害者が出ることを防ぐべく情報を共有したいと考えて報告したつもりでしたから・・・(ちなみに、この連盟が発行するジャーナルにも、被告となった会社の社長のインタビューがちょうど掲載されていました)。

ただし、誤解のないように書いておきますが、このときの対応についてどうのこうの言う気はありません。
何故なら、

‐ 個人として事業を営んでいくうえで、こうした事態に遭遇する可能性があること
‐ 「自分にはできない」とあきらめる前に、自分でよく調べて行動に移すこと
‐ 行動に移すと、自分をサポートしてくれる人が現れること 

を学べる貴重な経験となったのですから・・・。
この一件についても、様々な人が関わり、親身になって相談にのってくれました。費やした労力や時間を考えると、果たして自分の行動が意味のあるものであったか自問することもありました。
でも、1つ言えるのは泣き寝入りして、後で「こうしておけばよかった」などと後悔しなくて済みました(できれば、もう経験したくはありませんが・・・・)。
 
その後、(現時点では!)幸いにも不払いには遭遇しておりません。

ps.この会社はその後すぐに倒産しました。