2015.06.10

【ジェフ ヒーリー (Jeff Healey) の想い出③】

「ジェフ ヒーリーに会いたい!」という願いはある日、突然叶います。
でもその前に、欧米でのコンサートやライブのシステムについて簡単に書いておきます。

通常、以下の三通りに分かれます。

①「チケットを事前(または当日)購入する」
→これは、皆さんよくご存じのシステムです。北アメリカでは、「Ticketmaaster」という「ぴあ」のようなシステムが確立されていて、チケットを発券してもらうタイプです。当日券がある場合には、会場の窓口で購入してから入場します。キャパの大きなコンサート会場でよく見かけます。

②「入場時に現金を手渡す」
→これは①より、規模の小さいクラブ、ライブハウスレベルでよく見かけます。入場時に現金を手渡して入場します。ちなみに日本のように、別途ドリンク代が取られるようなことはありません(よく考えるとおかしいシステムですよね、このドリンク代の強制徴収って)。

③「チケット、入場料不要」
 →これは②より、さらに規模の小さいカフェやバーでよく見かけます。バンドには店側から演奏料が支払われており、お客さんが入場料を払う必要はありません。その代わりに、基本的にはバーですので、着席と同時にウェイター/ウェイトレスさんが来るか、自分でカウンターまで行ってドリンクを購入します。

カナダに移り住んで最初の年に私がせっせと通っていたのは、主に①と②でした。ローカルの情報誌を見ても、「ジェフ ヒーリー」の名前を見ることは皆無でした。

やがて一年ほど経つ頃になると、③のバーにもよく足を運ぶようになりました。当時、私が住んでいたところは、いわゆる「ダウンタウン」と呼ばれるところで街の中心部にほど近いところにありました(トロン大学の敷地内といえるくらいのところでした)。

雪の降るある日、友達数人と近くのバーに繰り出しました。そこは、「Grossman’s Tavern」というお店でトロントの老舗ブルーズ バーといった感じでしょうか。ここは、ほとんど毎晩のようにジャムセッションが行われており、お酒はもちろん、フライドポテトやハンバーガーなどの軽食もあり、時々利用していました。
(たまたま友人がカメラを持っていたので、その時に写した写真をご紹介します)
注)当時は、携帯電話やスマホはおろかデジタルカメラもない時代です。^^

こちらは、食堂の様子↓

Jeff_1

お腹がふくれたら、ステージの方に移動し、その日のバンドを見て楽しんでいました。すると、ステージにいる人が「今日は特別なゲストが・・・・」などと言っています。ビールを片手にホロ酔い気分でしたが、ふとステージに目をやると、なんとそこにはジェフ ヒーリーの姿がありました!

こんなうれしいサプライズなら大歓迎です。ジェフはステージに上がると、膝の上にのせるいつもの奏法ではなく、フツーの奏法で Bass (!)を演奏していました。曲は、ブルーズのスタンダードだったと思いますが何の曲かは忘れました・・・。次の曲では、Guitar に持ち替えて弾き始めましたが、もう流石です。一音弾いただけで「彼の音」ということが分かります。音から「存在感」がビシバシ伝わってきます。ジャムということもあり、わずか数曲の演奏でしたが、その迫力は十分でした。「これがプロの音なんだ・・・」と痛感したものです。

ふとステージ横を見ると、トム ステファン(ds)の姿も。ビール片手にゴキゲンそうでしたが、演奏はしませんでした(もしかすると、先に演奏したのかもしれません)。

その日は、恐らく0時過ぎに店を出たと思いますが、雪道を歩きながら、ジェフの音がぐるぐると頭の中を回っていました。

Jeff_2

(トレーナー姿でステージに立つジェフ)

続く・・・